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富永 洋; 今橋 強; 榎本 茂正*; 立川 登; 前田 寛恕*; 板倉 国男*
Journal of Radioanalytical Chemistry, 50(1-2), p.235 - 247, 1979/00
カリフォルウニウム-252速中性子源を用いる短寿命核種の繰返し放射化分析の代表例として、ガラス中のフッ素の定量をとりあげ、分析精度に関係する各種の要因につき詳細な検討を行った。すなわちまず、分析に用いるF(n,)N反応の放射化断面積を測定し、U核分裂中性子に対する同断面積より少し大きい値を得た。次に、試料サイズ、密度の影響、共存元素の影響を調べ、試料長さを均一にそろえることと、ブランク試料の測定とに注意すれば、良い精度、正確度で定量できることを明らかにした。繰返し放射化測定のサイクルの最適化についても検討した。こうして確立した分析法は、非破壊的にすなわち揮散の問題なしにフッ素を良い正確度、精度で定量できるので、例えば、ガラス製造工程におけるフッ素の揮散などの研究に最も有効な手段となるものである。100gCf線源による15分間の分析で、1%フッ素に対する相対精度2%、また検出限界は0.024%であった。